帰り道の車の中で、二見奈津子は店員たちからもらった小さなプレゼントを手にして、とても嬉しそうな様子だった。
佐々木和利もその雰囲気に感染され、時々彼女の方を見やっていた。
二見奈津子は小さな猿のストラップを眺めながら尋ねた。「今日の私の戦闘力はどうだった?あなたの追っかけを撃退できたと思う?」
佐々木和利は微笑んで答えた。「それは彼女次第だね」
二見奈津子は別のストラップを手に取りながら言った。「これは佐々木理恵にあげよう。きっと喜ぶわ。さっきの猿は安藤さんに、干支が申だから」
「あの佐藤美咲さんったら、もう少しでアナタの首に『私専用の男』って札を下げるところだったわね」と二見奈津子は首を振りながら評した。
佐々木和利は唇を引き締めて言った。「林千代は関口孝志の婚約者だから、最初は関口孝志の面子を立てて大目に見ていたんだ。まさか、彼女たちがここまでエスカレートするとは思わなかった」