橋本拓海は彼を捕まえて尋ねた。「ねぇ、井上邦夫を見なかった?あいつどこに行ったんだ?」
関口孝志は首を振った。「見てないよ」
橋本拓海が井上邦夫に電話をかけると、井上邦夫はすぐに切った。「おかけになった電話は、ただいま通話中です」
その後、井上邦夫からメッセージが届いた。「忙しいんだ、邪魔しないでくれ」
「なんだよ、病気か?何の問題があるんだ?」橋本拓海は携帯を関口孝志に見せた。
関口孝志は淡々と言った。「たぶん、どこかの女の子に目をつけて、蜂や蝶を誘いに行ったんだろう」
橋本拓海は考えて、うなずいた。「なるほど、まあいいや。俺も蝶々を探しに行くぜ!」
橋本拓海は二、三歩歩いてから、戻ってきた。「おい、婚約者の相手をしなくていいのか?」
関口孝志は無表情で答えた。「ちょっと息抜きもできないのか?」