167 嫌われ者

二人は連続して「やっぱりお母さんの考えが行き届いていますね」と言った。

周りの人々は思わず笑って言った。「坂元さん、あなたは本当に幸せですね。この嫁さんは娘のように心が通じ合っていて、本当に羨ましいわ」

坂元慶子は非常に誇らしげに「他のことでは皆さんに及びませんが、嫁に関しては、私は負けませんよ!」

丹野環奈は二見奈津子を見回しながら、笑って言った。「これが和利さんのまだ結婚式を挙げていない嫁さん?」

突然、2秒ほどの静寂が訪れた。

坂元慶子は二見奈津子を引き寄せ、皆に向かって笑顔で言った。「私たちが結婚式を挙げる時は、皆さん一人も断らないでくださいね。必ず来て盛り上げてくださいね!」

皆は急いで相槌を打った。「もちろんですとも」

「当然、当然」

丹野環奈は笑みを浮かべながら二見奈津子を見つめた。「私たちはみんなあなたのお姑さんの顔を立てているのよ。はっきりした話を聞かせてくれない?この結婚式はいつ挙げるの?気をつけないとね、結婚式を挙げる前に妊娠でもしたら、素敵なドレスが着られなくなっちゃうわよ!確かに入籍はしているけど、それじゃあ見栄えが悪いでしょう?人によっては和利さんと再婚だと思われちゃうかもしれないわよ!」

二見奈津子が何か言おうとした時、向井輝が彼女の腕を軽く引っ張り、皆に聞こえる声で小声で言った。「私から言わせてもらえば、もう式なんて挙げなくていいわ。私と光の結婚式の時のことを知らないでしょう?あの結婚式で私、本当に疲れ果てたわ。披露宴だけで三日間もあったのよ。本当に、結婚式で何かを証明する必要なんてないわ。どうせうちは祝儀に困っているわけでもないし、他人に何かを証明する必要もないでしょう」

二見奈津子は微笑んで頷いた。「お姉さんの言葉、私の心にぴったりです。私と和利も面倒なことは苦手で、だから結婚式を挙げたくなかったんです。でも、おじいちゃんがにぎやかなのが好きで、お父さんとお母さんに私たちのために盛大な結婚式を挙げるように言っているんです。私と和利は聞いているだけで怖くなってしまいます」

義理の姉妹二人は寄り添って笑い合った。

丹野環奈は執拗に言い続けた。「まあ、向井さん、それはよくないわ。もしかして義理の妹の華やかさに負けるのが心配で、だから結婚式を挙げさせたくないの?」