186 縁談

坂元慶子は直接話題を切り出し、笑いながら言った。「子供の頃に冗談で決めた婚約とはいえ、今は子供たちも大きくなって自分の考えを持つようになりました。私たちも封建的な親ではないので、子供たちの意見を聞かなければなりません。理恵はいつも自分の意見をはっきり持っていますし、うちの子供たちは自由に育てていますから、結婚に関して強制することはありません。」

鈴木清美は笑って言った。「もちろんです。今どき、お見合い結婚なんてありませんからね。ただ、私たちのような家柄では、ふさわしい結婚相手を見つけるのは本当に難しいことですし、完全に子供たちの好き勝手にさせるわけにもいきませんよね?」

「三井家のことを覚えていますか?息子二人は芸能人と結婚し、娘は家のボディーガードと結婚しましたが、結果はどうなったでしょう。十年も経たないうちに、息子たちは激しい離婚訴訟を繰り広げ、娘はそのボディーガードからDVを受けて、芸能ニュースになってしまいました。」

「三井家のお父様は怒りで入院してしまい、うちのお父様とお母様も嘆いていらっしゃいました。子供たちの結婚は好き勝手にさせてはいけない、釣り合いの取れた結婚が一番大切だと。そうですよね?」

坂元慶子も同意した。「その通りです。でも、やはり子供たちの意見を聞かなければなりません。そうでないと、無理強いした結婚は上手くいきません。結局、二人で一生を共にするのですから、私たちが一生見守っているわけにもいきませんから。」

鈴木清美は笑って言った。「そうですね。今回私たちが来たのは、子供たちに機会を作ってあげて、お互いをよく知ってもらいたいからなんです。縁というものは不思議なもので、幼い頃からの婚約というのも特別な縁だと思います。これが続いていけば、素晴らしい話になりますよね。私たちのような家柄で、釣り合いの取れる相手を見つけるのは本当に難しいことですから!」

坂元慶子は微笑んだが、理屈には賛成でも、このやり方にはあまり賛成できなかった。

彼女はやはり相性の良さの方が釣り合いよりも重要だと感じていた。

しかし、これ以上議論を続けるつもりはなかった。娘は主体性のある子だし、二人の息子も嫁も飾りものではない。この心配は必要ないと思っていた。

鈴木清美は坂元慶子を説得できたと思い、内心喜んでいた。