208 嫁を娶る

彼女の声は甲高く、嫁は思わず身震いして、急いで手元の仕事を置いて台所へ向かった。

「餃子を作ってあげなさい!セロリの餡のやつよ!」小中苗子は声を張り上げた。

嫁の後ろ姿を見ながら、小中苗子は恨めしそうに言った。「聞いても返事一つしない!まるで唖のようね。これじゃあ、将来息子が嫁をもらっても、彼女を萎縮させてしまうわ」

小中智也はすでに小中苗子の揺り椅子に大の字で座り、だらしなく言った。「おばあちゃん、何が嫁さんだよ。うちみたいなボロ家で、何で嫁がもらえるんだよ」

小中苗子は意に介さない様子で「あなたったら、どうしてそんな風に自分を卑下するの?あなたはこんなにハンサムじゃない。なんて言うのかしら...そう、玉樹臨風!私の孫はこんなにイケメンで、玉樹臨風なのに、嫁がもらえないわけないでしょう?」