207 探索

佐藤健二がドアをノックして入ってきて、妻が元気を取り戻したのを見て、やっと安心した。

数人が立ち上がり、佐藤健二に席を譲った。

佐藤健二はベッドの端に座って「お二人とも、良くなりましたか?」と尋ねた。

二見奈津子は急いで頷いた。

田中弥生は「この子たちに迷惑をかけてしまったわ。私たち二人は大丈夫よ。むしろ今は体が軽くなった気がするわ」と言った。

彼女は軽くため息をつき、部屋を見回して「娘の家に住んでいるのに、夢にも出てこないなんて。何か心残りがあるのかしら」と言った。

佐藤健二は彼女の手を握って「もちろん、心残りはありますよ」と答えた。

田中弥生と二見奈津子は驚いた。

二見奈津子は、母の一生の願いは自分と実の両親を見つけることだと思っていた。母には他にも知らない心残りがあるのだろうか?