小中智也は急いで椅子から姿勢を正した。「おばあちゃん?本当に玉を持ってるの?本当?」
小中苗子は得意げな表情を浮かべたまま、何も言わなかった。
小中智也は元気を取り戻し、小中苗子の細い手首を掴んだ。「おばあちゃん、おじいちゃんとお父さんはずっとおばあちゃんが宝物を隠し持ってるって言ってたけど、本当なの?本当に宝物があるの?どこにあるの?見せてよ!」
小中苗子はまだ得意げな表情のまま、相手にせず、しかし口角は抑えきれないほど上がっていた。
小中智也はこれは上手くいきそうだと察し、小中苗子の腕に抱きついて甘えた。「ああ、おばあちゃん、大好きなおばあちゃん、孫の私の人生の幸せはおばあちゃん次第なんだよ!おばあちゃん、宝物を出して真希ちゃんと結婚させてくれたら、おばあちゃんの余生を豪勢に過ごさせてあげるって約束するよ!」