小中智也は一瞬呆然としました。「じゃあ、大叔母さんは随分と大胆だったんですね?あんな家から、子供を誘拐するなんて?」
小中苗子は再び彼を睨みつけました。「あなたには分からないでしょう。お金持ちの家ほど、裏があるものよ。考えてみなさい。誰かが手を貸さなければ、大叔母さん一人で子供を盗み出せたと思う?」
「えっ?」小中智也の頭は明らかに追いついていませんでした。
小中苗子は言いました。「あの子が持っていた玉のペンダントは、母親の実家からの持参金よ。高僧のお祈りを受けたものだし、それだけじゃなく、その質だけでも値が付けられないほど高価なの!白川市全体が買えるほどだって!」
小中智也は口を大きく開け、そして信じられないという様子で口を尖らせました。「冗談でしょう。本当にそうなら、大叔母さんがあなたに残すはずがないじゃないですか?とっくに持って行ってるはずです。子供をくれるなんて、宝物まで残すわけないでしょう?」