211 法律

「おばあちゃん、早くその玉を見せてよ。」小中智也はその分別のない娘には興味がなく、ただ玉の行方だけが気になっていた。

小中苗子は左右を見回して、つぶやいた。「お前の母さんの餃子はまだできないのかい？お前の祖父さんと父さんはまだ目覚めないのかい？」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、小中智也の母が餃子の入った椀を持ってきた。小中智也は餃子を受け取り、いらいらしながら言った。「村の東の方の売店に行って、缶詰を買ってきて。ナタデココのやつね。」

その女性は呆然と息子を見つめていた。

小中智也はいらいらしながら十元を母の手に押し込んだ。「早く行って！賞味期限をよく確認してから戻ってきて！」

母を追い払うと、また言った。「おばあちゃん、祖父さんと父さんは昨日あんなに飲んだから、今日の夜中でも目が覚めないと思うよ。早く、早くその宝物を見せてよ！」

小中智也は待ちきれない様子で、小中苗子は過去の出来事を長々と話した後、心の中で何かが蠢いていた。良いものを持っているのに見せびらかせないのは、確かに彼女にとっては一種の拷問だった。何十年もの間拷問され続け、もう我慢できなくなっていた。

孫の煽りに乗って、小中苗子はついに部屋に戻り、小中智也に布団を動かすのを手伝わせ、箪笥を移動させ、ハンマーを持ってきて壁のレンガを叩き壊し、ようやく壁の穴の最も奥から手のひらサイズの小さな木箱を取り出した。小中苗子は埃まみれになりながら、ため息をついた。

小中智也はそれを手に取るとすぐに外へ向かった。

小中苗子は慌てて叫んだ。「ちょっと、ちょっと、どこへ持って行くの？人に見られたら大変よ！」

小中智也は言い返した。「部屋の中は暗すぎるから、外で見よう！外は日差しが良いから！ああ、おばあちゃん、大げさにしないで、誰もいないから——」

小中智也は中庭の真ん中に立ち、日の光に照らされた透き通るような玉のペンダントを眺めていた。ペンダントには色あせた古い赤い紐が付いていた。

「ガチャン——」正門が外から叩き開かれた。

小中智也は驚いて震え、手の中の玉のペンダントを隠すことも忘れ、罵声を浴びせた。「誰だよ、てめえ！ノックもできねえのか？」