佐々木和利は微笑んだ。
平和で愛に満ちた環境で育ち、感情の安定した仲の良い両親がいたからこそ、二見奈津子はこのように優しい性格で、そして勇敢で、楽観的で、優しく、芯の強い人になれたのだ。
佐々木和利は星を見上げながら言った。「うちで物語を語るのは、いつも兄貴の役目だったんだ。小さい頃は兄貴のことを尊敬していたけど、大きくなってから、あいつがその場で即興で作り話をしていたって気づいたんだ。僕と妹をだましていたんだよ。疑問を投げかけたら、僕をぶん殴って、かなわないから従うしかなかった。大人しく本を読んで、もう兄貴に物語を語ってもらわないようにした。そしたら今度は妹をだますようになった。でも妹はお姫様の物語が好きで、兄貴は英雄譚が好きだったから、結局妹の面倒は僕に押し付けられたんだ。」