佐々木和利は、とても理にかなっていると感じた。
「私が思うに、斎藤由美は意図的に兄夫婦を引き裂こうとしているわ。しかも手段を選ばないような」と二見奈津子は心配そうに言った。
佐々木和利は言った。「大丈夫だよ。長谷川透が佐々木家に警告を出すはずだ。ちょうど最近、佐々木家が請け負っているプロジェクトがあるし、あの弁護士が帰って説明してくれるだろう。今は斎藤由美が何か細工するのが心配だが、メディアの方は見張らせておく」
二見奈津子は頷いた。「ええ、私も知り合いのメディアに声をかけておくわ。ネットは発達してるけど、こういうゴシップニュースで影響力があるのは限られた数社だもの」
佐々木和利は少し考えて、不安になり、もう一度長谷川透に電話をかけた。
二見奈津子は笑って言った。「あなたと長谷川透の方が兄弟みたいね。井上邦夫たちとは少し違う感じ」