278 窮地

二見奈津子は病室をオフィスに変えた。

藤原美月の事故により、彼女が担当していた業務が緊急に二見奈津子の元へ送られ、田村良太郎は数日間不眠不休の状態が続いていた。

藤原美月に関するネガティブなニュースがヘッドラインとトレンドの上位を占め、お金を使っても下げることができなかった。

藤原美月の広報チームは全員が深刻な表情で、疲れ果てて顔色が悪くなっていた。

二見奈津子はこのような時こそ、より一層冷静さを保っていた。

幼い頃から、彼女が遭遇し、処理してきた危機は数え切れない。彼らは学生時代のサークル活動から今日まで協力し、無名から今日の名声を得るまで、二見奈津子や藤原美月一人の力ではなく、チーム全体の努力の結果だった。

だからこそ、この史上最大の危機に直面して、全員が全力で立ち向かっていた。