318 人材引き抜き

谷口安子はパソコンを抱えてオフィスに戻り、二見華子に関する様々なスキャンダルを詳しく調べ始めた。彼女は二見華子の助けとなって一矢報いなければならない。今や皆が同じ船に乗っているのだから、船が沈めば誰も得をしない。

最も重要なのは、藤原美月が今は二見奈津子の側にいないことだ。二見奈津子には右腕も左腕もない。この機会に動かなければ、いつ動くというのか?

二見華子は佐藤家を後ろ盾にしているとはいえ、その後ろ盾は余りにも不安定だ。彼女のためにもっと頼りになる人を見つけなければならない。

橋本家については、二見華子の様子を見れば分かる。彼女は橋本拓海の心を掴めていない。もっと火をつける必要がある。

橋本拓海は道川光莉が持ってきた企画書を見て感嘆の声を上げた。「これはあなたが考えたの?新しい頭脳は確かに違うね。転職する気はない?クラウドで働くのが嫌になったら、うちの会社に来ないか?給料は倍にするよ、へへ!」