319 休憩

理恵は痩せていたが、しっかりとして、健康そうだった。

理恵は奈津子の手を握り、「お姉さん、晴子さんに会いに連れて行って」と言った。

彼女の目には涙が光っていた。

この子ったら！

奈津子は彼女の肩を叩いた。「まずは家に帰って、両親とおじいちゃんに会って、お風呂に入って、少し休んだら。そんなに急ぐことはないでしょう」

理恵は奈津子の言うことを一番よく聞く子で、ずっと心配で仕方なかったが、奈津子を見た瞬間、焦りが落ち着いた。

道中、奈津子は最近の彼女に関する噂話について話した。理恵は冷静に答えた。「クランクアップの時に、田村良太郎さんが全部教えてくれたの。お姉さん、心配しないで。私、衝動的な行動はしないから。噂なんて好きにさせておけばいいわ。どうせ私には何の影響もないし、真実は時間が証明してくれるわ。時間が彼らの顔に打ちつけてくれるから」

奈津子は思わず横目で見て、感心して言った。「大人になったわね、成長したわ」

理恵は顔をこすりながら言った。「お姉さんや晴子さん、そしてお義姉さんと比べたら、私はこれまでずっと順風満帆な人生を送ってきたの。この程度の噂や中傷なんて何でもないわ。山奥から出られない女の子たちと比べたら、私のこの程度の辛さなんて、取るに足りないものよ」

やはり、経験は最高の成長手段だ。

理恵は奈津子を見つめて言った。「お姉さん、しばらく演技の仕事は休んで、会社に戻って他の仕事を経験してみたいの。会社のどこが人手不足なら、そこに行きたいんだけど、いい？」

奈津子は笑って答えた。「いいわよ！何をやりたいか見てみましょう」

理恵は首を振った。「私がやりたいことじゃなくて、会社が必要とする人材になりたいの。みんなにいつも気を遣わせたくない。私にできることを精一杯やりたいの」

奈津子は心を揺さぶられ、真剣な様子で言った。「わかったわ。晴子さんに会ったら、私と一緒に会社の会議に出ましょう」

理恵はほっとした様子で椅子の背もたれに寄りかかり、そっと目を閉じた。彼女は目を閉じるとすぐに眠れるほど疲れていた。

奈津子は手を伸ばして彼女の頭を撫でた。理恵くらいの年の頃、自分はすでに多くの苦労を経験していたが、それでも自分の未来は必ず明るいものになると信じていたことを思い出した。