二見奈津子は軽く首を振った。「私は見て分かったわけじゃないの。感覚なの。向井さんならわかるでしょう?顔を見なくても、一目でその人が自分の夫かどうかわかる、あの感覚」
向井輝は佐々木光を見つめながら、頷いた。「そうね。あなたたちの小隊は5人で、体格も似ているのに、私は一目であなたを見つけられる。これが女の直感よ」
佐々木光は向井輝を愛おしそうに見つめ、微笑んだ。「あなたたちは直感で片付けるけど、私たちは何か間違いを起こさないかとヒヤヒヤしていたんだよ」
二見奈津子は心配そうに言った。「双子じゃないんだから、知らない人なら騙せるかもしれないけど、普段から一緒にいる人には、すぐにばれちゃうんじゃないかしら」
佐々木光は真剣な表情で言った。「以前、思いつきで佐々木和利に私の服を着せて行かせたことがあるんだ。上官も遠くからは疑わなかったよ」