364 知人

二見華子は遠くの上官の側に座っている佐々木和利を驚いて見つめ、心臓が飛び出しそうだった。

「あれは和利さん!」二見華子は確信を持って、無意識にバッグから携帯を取り出そうとした。

「最高位の上官の隣にいる軍人が見えるでしょう?今日のあなたの任務は彼を落とすことよ。そうそう、佐々木家の長男の光さんは知っているでしょう?」二見華子を連れてきた阿部さんが突然言った。

二見華子は携帯を取り出そうとした手をゆっくりと引っ込め、阿部さんを見て軽く頷いた。「はい、子供の頃に何度かお会いしました。彼が軍に入ってからは、ほとんど会っていません。」

彼女の言葉は本当だったが、あの人は光ではなく和利だと確信していた!

阿部さんは小声で言った。「もし彼を落とせたら、橋本拓海十人分の価値があるわ。」