385 結婚恐怖症

二見奈津子は報告書を大まかに見て、机の上に置き、藤原美月の後ろに回って肩をもみながら、笑って言った。「もういいじゃない!私の藤原社長、晴子さん!もうすぐ花嫁になるんだから!こんなごちゃごちゃしたことは気にしないで、むしろ結婚式の進行で抜けているところがないか見てみましょう!」

藤原美月は彼女の手を掴んで、むっとして言った。「私は真面目な話をしているのよ!他の話にそらさないで!」

二見奈津子は回り込んで、藤原美月の足元にしゃがみ、見上げながら言った。「私にとって、あなたと井上邦夫さんの結婚が一番真面目で、一番重要なことなの!他のことは全部後回しよ!晴子さん、緊張してるの?」

その一言で、藤原美月は静かになり、無理に作っていた真面目な表情も崩れた。

「奈津子、私と井上邦夫は幸せになれると思う?」藤原美月のその一言は、彼女の心の中の苦悩と脆さを露呈していた。