401 八つ当たり

世論大地震!

各界に衝撃!

エンターテイメント業界だけでなく、金融界も揺れ動き、株価さえも取引開始後に変動を見せた。

この飛び交うニュースには数々の名家が関わっており、当然ながら多くの人気上場企業にも影響が及んだ。人気の新興株だけでなく、長年安定していた老舗A株も影響を受けた。佐藤家がこれほど深く関わってしまったのだから仕方ない!

佐藤家唯一の男子相続人である佐藤翔が同性愛者であることが暴露された。彼自身がゲイバーに出入りし、様々な身分の人々と交際しているだけでなく、幼い従弟の佐藤香織も何度も連れて行っていたという。その品行は明らかだ。

佐藤家は以前、佐々木家の末娘との縁談を望んでいたが、それは佐藤翔が外で女性を妊娠させたという醜聞を隠すために過ぎなかった。しかし佐藤翔は男女両方に手を出すだけでなく、無責任で人命を軽視する最低な男だったのだ。

周知の通り、佐藤翔は佐藤家が力を入れて育成してきた後継者だ。彼のために、ここ数年佐藤家は国内市場の拡大に力を入れ、本拠地を白川市から栄市に移すことさえ厭わず、栄市の四大家族との関係構築に注力してきた。

佐藤翔の未婚の姉妹たちは栄市で上流社会の富豪の子息たちと交際し、佐藤翔の道を切り開くために尽力していた。

この醜聞が出ると、各メディアは血に飢えた獣のように証拠資料を掘り起こし始めた。佐藤家の姉妹たちが六本の腕を持っていたとしても、すべての情報経路を遮断することはできず、彼女たちが血と肉で佐藤翔のために築き上げた高層ビルが崩れ落ちるのを見て、泣くに泣けない状況だった。

佐藤家の各派の重鎮たちが次々と栄市に駆けつけて事態の収拾に当たった。

佐藤家の女性たちは怒りの矛先を向ける場所がなく、すべての怒りを二見華子に向けた。彼女たちは、二見華子がエンタメ記者を現場に連れて行かなければ、事態がここまで大きくなることはなかったと考えていた。

佐藤翔の醜聞は、彼だけでなく佐藤香織も破滅させた!

長谷川樹富が真っ先に立ち上がり、二見華子の鼻先を指さして罵った。佐藤香織は彼女が丹精込めて育てた子で、彼らの一族の希望だった。佐藤翔に巻き込まれたことについて彼女は文句を言えなかったが、二見華子というお荷物は最高のはけ口だった。