448 予約

「あなたのアシスタントには賞金をあげなきゃね!彼女はすごいわ、私を——あなたの実の母親に会わせないなんて、本当に驚きだわ!」望美の声は竹筒から豆が零れ落ちるように急いでいた。

藤原美月は携帯を少し遠ざけて静かに聞いていた。今本美智子にもはっきりと聞こえるほどだった。

やっと彼女が一息ついたところで、美月はすかさず言った。「用件だけ言って、忙しいの」

「忙しい?あなたが?何が忙しいっていうの?あなたは井上家の次男の奥さんでしょ、何に忙しいの?あら、忘れてたわ、あなたはすごいのよね、キャリアウーマンだもの、立派ね、私という母親さえ認めないなんて!」

美月は電話を切った。

二見奈津子は驚いて「これは——」

「大丈夫、また電話してくるから、一、二、三——」

携帯の着信音が鳴り、奈津子は目を丸くして美月を見た。