外の夜はだんだんと暗くなり、道路を走り過ぎる車も少なくなってきた。冷たい風が吹き抜け、遠い空から微かな湿り気が漂ってきた。しばらくすると、一面の霞がかった感覚が瑞穂市全体を包み込み、風で乾いていた通りにも再び湿り気が現れ始めた。
星野夏子は娯楽施設からよろよろと出てきた。頭の中ではまだ冴えていると感じていたが、体全体がふらついており、まともに立っていることもできなかった。
彼女は自分がどれだけ飲んだのか覚えていなかった。ただ、最初は体が燃えるように熱くなり、その後麻痺し、全身が冷たくなって何も感じなくなったことだけを覚えていた……
手で触れるものを頼りに、何とか体を支えながら、自分の車の方へ苦労して歩いていった。車の鍵を取り出して、ドアを開けようとしたが、手は震えて言うことを聞かず、気がつくと鍵がどこかに落ちてしまっていた。