まさに橋本楓と星野心だった!
彼女は橋本楓の姿があまりにも馴染み深く、彼の横顔を見ただけで、正確に彼だと判断できた。
そして隣にいるサングラスをかけ、淡いブルーの春物を着て、薄い色の美しいスカーフを巻いている女性は間違いなく星野心だった。
彼らはちょうどウェディングドレスを選んで見ているようだった。今、星野心は幸せそうな表情でショーウィンドウのマネキンが着ているウェディングドレスを見つめ、片手でドレスの端を持ち、澄んだ魅力的な顔には甘い笑みが溢れていた。
彼女の隣の橋本楓は溺愛に満ちた表情で、星野夏子が見たことのない優しさに満ちた目で、真剣にドレスを選んでいる星野心を見つめていた……
認めざるを得ないが、このようにショーウィンドウ越しに彼らを見ていると、彼らが本当に釣り合いのとれたカップルに見えた。彼らの顔に互いに溢れる笑顔を見ると、彼女の心の底には抑えられない何とも言えない苦しさが湧き上がってきた。
薄く透明なショーウィンドウ一枚を隔てているだけなのに、見ると彼らが自分からとても遠く離れているように感じた。
自分が何の努力もせずに何かを得られるとは決して思わなかった。彼女は気にかけていたから、欲しいと切望していたから、どれだけの努力が必要かを気にしたことはなかった。努力して手に入れられるなら、彼女はどんな犠牲も払う覚悟だった。
しかし、どれだけ努力しても、彼女は結局橋本楓の心を動かすことができず、彼に無理やり彼女を愛させることもできなかった。たとえ彼女が彼の婚約者という立場で黙々と努力し、尽くし続けても……
そう、感情は一方的な思いだけではどうにもならないのだ。
彼女は茫然と息を吸い込み、静かに目を閉じ、それから開いて、胸の中で急に蘇った痛みを必死に押し殺し、顔をそむけた。もう考えたくなかったし、見たくもなかった。
前方で彼女の手を引いていた藤崎輝も彼女の感情の変化を敏感に感じ取り、彼が握っていた彼女の手が一瞬で冷たくなったので、彼はすぐに振り返って彼女を見た。ちょうど彼女が暗い瞳で顔をそむける様子を目にした。