第358章 愛したことを、どう説明できる？（五）

ソファに戻って座ると、須藤旭はすでに何杯か酒を飲んでいた。

「君はますます真剣になってきているな。薫も君がのめり込んでいると言っていたが...」須藤旭は藤崎輝を見つめ、思わずため息をついた。「急に感情というものは本当に難しいと感じるよ」

藤崎輝はグラスを持ち上げ、一口飲んで微笑んだ。「君も誰かを見つけて試してみたらどうだ。須藤のお爺さんも焦っているぞ。三十二歳だ、もう若くないんだから」

「俺はまだ四十になってからそういう面倒なことを考えようと思っているんだ」

須藤旭は藤崎輝をちらりと見た。「まあいい、俺のことはひとまず置いておこう。君はどうするつもりだ？もしこの事故が偶然ではなかったとしたら、どうするつもりだ？」

その言葉を聞いて、藤崎輝の深い瞳はわずかに暗くなり、低い声で言った。「すでに監視させている。時間を見つけて彼らを試してみよう。数日後、夏夜とウェディング写真を撮る予定だ。来月は海外で結婚式を挙げる。招待状はそのうち君たちの手元に届くよ」

「それじゃあ、プレゼントを用意しないといけないな？」

須藤旭は眉を上げて笑った。

「十分豪華でなければ来なくていい」

「ひどいな！わかったよ、安心しろ。俺が見守っておくから、もう何も問題は起きないさ」

「ありがとう」

そう言って、二人の友人はゆっくりと酒を飲み始めた。

……

二人は夜中まで飲み、須藤旭が帰る頃には、歩き方もふらついていた。ちょうど宿泊先のホテルもこのホテルだったので、心配する必要はなかった。

藤崎輝もかなり飲んでいた。簡単にシャワーを浴びた後、ベッドに入り、習慣的に熟睡している彼女を腕の中に抱き寄せた……

ある感覚は本当に不思議なものだ。いつからか、彼女が腕の中にいると、特に安心感があり、特に温かく感じるようになっていた。

彼女が彼のもとに来てから、藤崎輝は自分自身がずっと軽くなったように感じていた。以前のような言葉にできない微かな抑圧感を持って生きることがなくなった。

この結婚は彼の心の中で微妙なものだった。彼は懸命に適応しようとし、完全に受け入れ、そして深く所有するようになった。それは量的変化から質的変化へと飛躍する過程だった。彼はすべての結婚がこのようなものかどうかわからなかった……

しかし、少なくとも、彼らはそうだった。