第361章 波乱(一)

真の言葉が落ちると、藤崎輝はようやく頷いた。「数日間休んで、5月中旬くらいに行けばいい。直接波乗さんと連絡を取ればいい。この数日間で準備しておくように。」

「はい、ご主人様!」

「うん、凌子のことは、お前の奥さんが説明してくれるだろう。」

こちらはまだ数日間は離れられないだろう。真が帰ったら、こちらの仕事は彼が処理する必要がある。しかし、それも問題ない。どうせ彼女がここにいるので、心配する必要もない。

それに、彼女を連れて商談に出かけるのは、とても楽しく満足できることのようだ。

昼食は星野夏子と藤崎凌子が外で直接食べた。2時間ほど買い物をして、たくさんの物を買い、ホテルに戻ったときにはすでに午後2時近くだった。

星野夏子は荷物を整理して、彼らに持ち帰らせた。

「凌子……ちょっと待って!」

藤崎凌子をホテルから見送るとき、星野夏子は突然彼女を呼び止め、顔に微かな笑みを浮かべた。

「お姉さん?どうしたの?」

藤崎凌子は星野夏子に歩み寄り、少し困惑した様子で彼女を見つめた。

星野夏子は穏やかに微笑み、前方でまだ話している真と木村大輔を見上げ、嬉しそうに言った。「何でもないわ、ただ言いたかっただけ。真も人を気遣い、思いやりのある優しい人よ……」

星野夏子は言いながら、顔を向けて藤崎凌子を見た。「幸せはお互いに与え合うもの……だから、勇気を持って愛して……」

藤崎凌子はそれを聞いて、一瞬驚いた。心の中に暖かい流れが静かに流れた。星野夏子の視線に従って前方の真を見つめ、しばらくして、やっと艶やかに微笑み、ポケットからサングラスを取り出して掛け、視線を戻して星野夏子を見た。「お姉さん、ありがとう!」

星野夏子は薄い唇を引き締めて微笑んだ。「私は心から君たちが幸せになることを願っているわ。それはあなたのお兄さんも望んでいることよ。」

藤崎凌子は笑うだけで何も言わなかった。しばらくして、やっと穏やかに言った。「私もあなたとお兄さんがずっとこのままでいられることを願っています。お姉さん、私の兄は良い人です。だから、どうか彼に優しくしてあげてください……」

星野夏子も嬉しそうに頷いた。「もちろんよ。さあ、時間だわ。急いで車に乗って行きましょう。家に着くとちょうど夕食の時間ね。おじいさんとおばあさんたちはもう準備をしているはずよ。」