第362章 波乱(二)

帝光ファッションシティで開催されたファッションショーコンテストは清川グループが主催したものではなく、清川グループは超大型スポンサーの一つとして、組合が開催するかなり規模の大きいファッションショーとジュエリー展示会を支援しただけだった。

参加者は帝光ファッションモールとジュエリーモールの各ブランドの商人たち、そして外部からのいくつかのブランドファッションとジュエリー商だった。

当初、組合がこのイベントを提案した時の本意は、帝光ファッションモールを盛り上げることだった。結局のところ、この帝光エンターテイメントシティの開発には政府も多くの心血を注いでおり、熱気を高め、より多くの商人が投資開発に来るよう奨励することは非常に必要なことであり、それによって南浦の開発にも波及効果をもたらす可能性があった。

しかし、前回星野夏子の提案を受けて、清川は活動への支援を強化し、ジュエリー展示会もイベントに加えることを決定した。計画は急ピッチで進められたが、情報が適切に伝達され、皆の反応も良好だったため、かなり大規模なイベントとなった。

昨日は予選、今日は決勝戦で、審査員はファッション界の有名な服飾デザイナーやジュエリーデザイナーなどだった。須藤菜々の会社も招待されていたので、当然このような良い機会を逃すわけにはいかなかった。

早応大学の深田文奈のアパートの下で、須藤菜々は深田文奈の姿を見るとすぐに手を振った。「深田おばさん、こちらです!」

深田文奈はすぐに路肩に停車している須藤菜々の車を見つけ、歩み寄って乗り込んだ。運転していたのは須藤菜々ではなく、彼女の会社の車だった。

「あなたのお母さんたちは行かないの?」

依然として優雅な顔に微笑みを浮かべながら、深田文奈は尋ねた。

「母は父と一緒に他の学校を見学に行ったんです。時間があれば後で来ると言っていました。夏子さんからも先ほどメッセージがあって、早めにあなたを迎えに行くようにと。あ、そうそう、深田おばさん、さっきこちらに来る途中、星野市長が出て行くところを見かけたんですが…」

須藤菜々は言いながら、探るように深田文奈を見た。

深田文奈の美しい顔に一瞬の戸惑いが走った——