第393章 君の手を取る(三)

しかし、しばらく待っても、彼女が続きを書く様子はなく、彼女の澄んだ目は彼の首元に彼女がつけてくれたペンダントに注がれていた。

「続きは?」

彼は我慢できずに尋ね、もう一方の大きな手で彼女の細い背中を押さえ、しっかりと自分の胸元に引き寄せた。

「続きは…思い出せないわ。いつか思い出したら教えてあげる」

彼女は興味深そうに彼を見つめ、星のような瞳には無数の星が輝いているかのように、華やかで魅力的だった。

「そうか?本当に思い出せないのか?」

彼は少し危険そうに黒い瞳を細め、彼女の背中に置いていた指先が突然止まった。

「もちろん本当よ…」

「夫が思い出させてあげよう!」

彼の整った顔にめずらしく邪な笑みが浮かび、次の瞬間には再び隙間なく彼女に覆いかぶさっていた。

「もうやめて…」

藤崎輝は彼女の拒否など聞き入れなかった。彼らの夫婦生活はいつも調和がとれていたが、彼女に満足することはなかった。彼自身も欲望が薄いと思っていたが、彼女と結婚してから気づいたのは、彼女が思うようではなく、ただ「その人」に出会っていなかっただけだということだった。

そして彼女こそが、間違いなく「その人」だった。

その後のことは夏子さんはあまり覚えていなかった。彼女はいつも男の持久力の前に屈服していたのだ。しかし眠りに落ちる直前、彼女は奇妙だと思う、情愛の言葉なのかどうかわからない言葉を聞いた——

奥さん、今ふと思ったんだが、幸せとは猫が魚を食べ、犬が肉を食べるように、藤崎さんと藤崎奥さんが同じ寝床で眠り、一緒に明日の夜明けを迎えることなんだ…

彼女がぐっすりと眠りについたのを見て、しばらくしてから彼は起き上がり、バスローブを羽織って直接バスルームへ向かった。

出てきたときには、すでに10分ほど経っており、ちょうど電話がかかってきた。

「もしもし、ご主人様、私です!」

木村大輔の声だった。

「ああ、事の成り行きはどうだ?」

藤崎輝は本棚の前のソファに座り、手にはファイルを持ちながら冷静に尋ねた。

「すべて整理が終わりました。今すぐ岡田家に送りますか?」

木村大輔は静かに指示を仰いだ。

藤崎輝は指先で眉間を押さえ、一息ついてから冷静に言った。「送りなさい」

「ご主人様、真が見つけたこの情報も一緒に送りますか?」

木村大輔は尋ねた。