凌子と菜々?
彼がそう言うのを聞いて、彼女はようやく思い出した。最近、深田文奈と星野陽のことで心身ともに疲れ果て、彼女たちと会う時間もなかった。
須藤菜々はここ数日風邪で熱を出していたようだ。幸い阿部恒が時間通りに戻ってきたので、そうでなければ星野夏子も当然心配していただろう。
須藤菜々は心の中で深田文奈のことを深く謝罪し、自責の念に駆られていた。深田文奈が退院した日、彼女は病気の体を引きずって来たのだが、後に深田文奈が藍川朗に彼女を送り返させた。
星野夏子も彼女と話したいと思っていた。須藤菜々のあの性格は、おおらかではあるが、一度こじらせると頭が痛くなるほどだ。
「じゃあ明日の夜、彼女たちに会いに行くわ。あなたは自分で車を運転して会社に行って。明日は…」
「あ、そうだ、最近、凌子と真はどう?彼女は本当に真と一緒に行ったの?」