第45章 私はあなたを信じる

霧島咲姫が知らせを受けたとき、ちょうど会社に出勤しようとしていたところだった。

「煌が入院した」

このメッセージを見て、彼女はスマホを握りしめ、一瞬の躊躇もなく車を降り、タクシーに乗って送られてきた住所へと向かった。

やはり煌に何かあったのだ！

朝、子供を見たときから様子がおかしいと感じていたが、神城家の雇ったベビーシッターがそばにいた。

霧島咲姫の目は充血していた。昨夜の酔いで十分に休めていなかったうえに、今度は立て続けに衝撃を受けている。煌は彼女の命そのもの。もし煌に少しでも何かあれば、自分がどうやって生きていけるのか分からなかった。

たった20分の道のりだったが、まるで一世紀も待ったように感じられた。

そのとき、神城連真と東條未煙は救急室の外に立っていた。

「連真、私のせいよ。煌をちゃんと見ていなかった私が悪いの」彼女は自責の念と悔しさでいっぱいの表情で、弁解するどころか、すべての責任を引き受けようとしていた。

しかし、いつも彼女を大切にしていた神城連真は、今回は唇を固く閉じ、彼女の言葉に応えようとしなかった。

彼女は傍らに立ち、少し足を踏み鳴らした。「神城叔父ちゃんが私のことを良く思っていないのは知っていたけど、まさかあんな言葉を私に言うなんて思わなかった」

東條未煙の華奢な肩が壁にもたれかかっていた。「神城叔父ちゃん」という言葉が連真の注意を引いた。

彼は眉をひそめ、顔を上げて言った。「父がまた何か言ったのか？」

「神城叔父ちゃんは私が煌を虐待したって言うの。監視カメラを調べるとまで言ったわ。叔父ちゃんにはさっさと調べてほしいわ。そうすれば私の潔白が証明されるから」彼女の目には悔しさがあふれ、かつての少女の姿と重なった。

神城連真はまたあの出来事を思い出したようだった。

彼は手を伸ばし、東條未煙を抱きしめ、優しく慰めた。「俺はお前を信じている」

信じてくれるなら、それで十分。東條未煙は満足げに目を閉じた。

駆けつけてきた霧島咲姫は廊下の角に立ち、二人の甘い背中を見つめ、苦い思いが胸に込み上げてきたが、煌の安否の方が重要だった。彼女は二歩を一歩にして前に進んだ。

——煌はどうなの！