神城連真は思わず深いため息をついた。この時、彼は心の中が空っぽになったような気がして、何かが突然失われたような感覚だった。
「連真、そんなに怒らないで。怒ると体に悪いわよ。ほら、私はまだあなたのそばにいるじゃない?」
東條未煙は霧島咲姫と神城家の大爺様が去ったことを知ると、こっそりと安堵のため息をついた。これで当分の間、自分を抑え込む人はいなくなった。
彼女はゆっくりと神城連真の側に歩み寄り、手を伸ばして連真の手を優しく握ろうとしたが、次の瞬間、連真に手を引っ込められてしまった。
「連真、これは……」
東條未煙は当然、神城連真の拒絶を感じ取った。それは未煙の心をますます不安にさせた。もともと連真の感情に対して後ろめたさを感じていたが、今の状況では自分がさらに不利な立場に立たされていた。