一方では。
リサは思い切って祝うことにした。今回のイベントに無事参加できたのだから、どんな形であれ、自分を労わる必要があった。
実際、リサはただ自分の心を慰めたかっただけだ。あのイベントは彼女をとても不安にさせたので、美味しい食事でその穴を埋めたかっただけだ。
朝霧翔真はリサをあるレストランに連れて行った。
そこはロマンチックで、恋人たちのデートスポットだった。
リサは拒まなかった。
どのみち、二人の関係は彼女にとって常に明確だった。
彼女の心の中で翔真の居場所はまったくなかったが、今彼がしていることはこの5年間の埋め合わせだと思うことにした。
席に着くとすぐに、翔真はかなり緊張していた。彼は神城連真に認識されることを恐れ、連真が簡単に咲姫を奪ってしまうことを恐れていた。彼は心の中で特に恐怖を感じていたが、それをどう表現すればいいのかわからなかった。