第384章 守屋朝陽の助け

今や神城グループは自分のことで精一杯で、霧島咲姫は連真にこれ以上迷惑をかけたくなかったので、自分でこれらの問題を処理するしかなかった。

そのとき、守屋朝陽が突然メッセージを送ってきた。「会社がこんなことになっているのに、まだ一人で抱え込むつもり？友達と思ってくれてないの？」

霧島咲姫は思わず笑い声を上げた。

すぐに、守屋朝陽は再び位置情報を送ってきた。あるカフェの住所だった。

霧島咲姫はすぐにサングラスとマスクを着用し、約束の場所へ向かった。

守屋朝陽は彼女の姿を見て苦笑した。「咲姫、あなた浮気相手と会うわけじゃないのに、なぜそんな格好をしているの？」

霧島咲姫はようやくサングラスとマスクを外した。「ああ、今は私と連真の会社が問題を抱えていて、記者たちが毎日追いかけてくるから、これ以上リスクを負えないのよ！」

守屋朝陽は実際、霧島咲姫を尊敬していた。彼女は一人で神城グループを切り盛りし、短期間で霧島結月をここまでの規模に成長させたのだから。

おそらく優秀な人は常に妬まれるものなのだろう。最初に桐島詩雲に会ったとき、彼女がこのような人だとは思わなかった。

霧島咲姫が事の顛末を詳しく話すと、守屋朝陽はすぐに彼女を助けると申し出た。

二人は楽しく会話し、霧島咲姫は心から守屋朝陽に感謝していた。自分が困っているときに手を差し伸べてくれたことに。

その頃、神城連真の車がちょうどグループの地下駐車場に到着し、車から降りるとすぐに柔らかいものに行く手を阻まれた。

桐島詩雲！

彼女はあまりにも傲慢だった！今や彼女は全身で彼にしがみつかんばかりだった。

「桐島詩雲、自重した方がいいぞ！」神城連真は我慢して、自分がすでに真相を知っていることを彼女に告げなかった。

「どうしたの、連真兄ちゃん、もう義兄さんとは呼ばないわ。今日、霧島咲姫が私を訪ねてきたの。彼女は桐島家が神城グループを放っておけば、神城奥様の座を譲ると言ったわ！」桐島詩雲は生き生きと話した。

神城連真は冷笑した。彼はバカではない。そんな作り話はまったく信憑性がなかった。「桐島詩雲、呼び方を変えるのが早いな！」

桐島詩雲は今や図に乗っていた。「連真兄ちゃん、連真兄ちゃん？いい響きでしょ？これからはこう呼ぶわ。だって、そう遠くない将来、私たちは家族になるんだから！」