大江瑞穂と山本涵子、織田樂予の到着により、クラス委員長や他の人たちの説得もあって、夏目初美と大江瑞穂はついに帰るわけにもいかず、再び席に着くことになった。
クラス委員長は再び不愉快な雰囲気になることを恐れ、すぐにウェイターに料理を運ばせた。「みんな、食べながら話そう。必ず楽しく食べてね。食事の後はカラオケに行こう!」
美味しい食べ物と飲み物で口を塞げば、世の中を混乱させたがる人たちも、もうグチグチ言わないだろう、と思ったのだ。
夏目初美と大江瑞穂は山本涵子と織田樂予と内緒話に忙しく、お互いの近況を交換していた。
以前、彼女たちの602号室は模範的な寮室で、いわゆる表面的な姉妹関係の寮室とは全く違っていた。
だから大江瑞穂が先ほどの状況を簡単に説明すると、山本涵子と織田樂予も怒り出した。「マジで、何なのよあの人たち、あのクズ男に何かフィルターかかってるの?やっぱり手に入らないものが一番いいってこと?」
「ダメだわ、後でなんとか口実を見つけて、あいつらをこっぴどく叱ってやる。今日はなんでこんなに渋滞してたのよ?」
白鳥雅依と北条蓉子も怒りが収まらなかった。
何が得意げなのか、男一人も繋ぎ止められず、目の前の鴨が飛んでいったくせに、まだ高姿勢で、自分がどれほど素晴らしいと思っているのか。
それに水野先輩のような良い人が、理由もなく浮気するはずがない。きっと夏目という女が彼に十分な関心を示さなかったか、何か間違ったことをしたに違いない。そうでなければ、このような事態は一方的には起こり得ないはずだ。
水野先輩が当初目が見えていなかったのも不思議だ。彼が夏目を選ばなければ……
白鳥雅依は北条蓉子の耳元で何か言った。
北条蓉子はワイングラスを手に取り、夏目初美に近づいた。「初美、ごめんなさい、さっきは考えずに話してしまったわ。でも本当に悪気はなかったの。まだ怒ってる?まずは自分に罰として一杯飲むから、もう許してくれない?」
そう言って彼女はグラスの赤ワインを一気に飲み干した。
夏目初美は彼女が飲み終わるのを待ってから、作り笑いで言った。「自分の言葉が考えなしだったと分かっているなら、次からはそうしないでね。同級生たちは寛容かもしれないけど、他の人はそうとは限らないわ」