第52章 ヒキガエルは人を噛まないが気持ち悪い

皆はしばらくの間、言葉に詰まってしまった。確かに夏目初美は以前よりも美しくなっており、それは誰の目にも明らかだった。

彼女はまもなく自分の法律事務所を開くところで、確かに気の毒な人間は彼女ではなかった。

しかし白鳥雅依はどうしても彼女を困らせようと心に決めていた。「夏目の言うとおりよ、私たち女性はいつだって自分を過小評価したり、軽んじたりしてはいけないわ。でも、みんなはあなたを心配しているのよ。皆さんがどう思っているかは分からないけど、私は今、社会という大きな染物桶の中で揺れ動けば動くほど、学生時代のシンプルで純粋だった日々が恋しくなるし、皆との同級生としての絆をより大切に思うようになるわ。」

「だから私は本当に夏目のことが気の毒だと思うの。あれだけの何年もの感情よ、制服から花嫁衣装まで、それはどれだけ多くの人が憧れる恋愛だったことか。私が思うに、水野先輩が本当に原則的な大きな過ちを犯したわけでなければ、あなたは彼にもう一度チャンスを与えることができるはずよ。結局、この村を過ぎれば、この店はないのよ。あなたが将来、水野先輩のような素晴らしい男性をまた見つけるのは難しいでしょうね。」

北条蓉子も同級生の心を開いたような様子で続けた。「そうよ、夏目、雅依の言うとおりよ。あなたが将来、水野先輩のような条件の良い男性を見つけるのは、本当に難しいと思うわ。彼が浮気したわけじゃないでしょう？彼がそのような過ちを犯していないのなら、許せると思うわ。」

他の数人の男女の同級生も同調した。「夏目、5年間の感情だよ、私もあなたがもう一度考え直した方がいいと思うわ。生活していくには、時には目をつぶることも必要でしょう。細かいことにこだわっていたら、どうやって長続きするの？」

「そうよ、水野先輩はあなたに十分良くしてくれたじゃない。家も法律事務所もあなたに分けてくれたって聞いたわ。まだ結婚証明書も取っていないのにね。彼の心の中にはまだあなたへの愛があるのよ。本当に見逃して後悔しても、もう遅いわよ。」

話している人たちの心の中は、かなり不平等感で満ちていた。

法律事務所を開くには少なくとも数百万円はかかる。夏目初美一人でどうやってそんなことができるというのか？