第80章 本当にその気持ちがあるのか

夏目初美はさらに二日間、工藤希耀の世話を家で続けた。工藤希耀の生活がほぼ自立でき、行動もほぼ通常に戻り、永谷姉さんも戻ってきたので、

彼女は再び法律事務所に出勤した。

年末が近づき、会社も個人も忙しく、法律事務所も当然忙しかった。彼女が四日間の時間を捻出して家で工藤希耀の世話をできたのは、すでに大変なことだった。

大江瑞穂は彼女がようやく戻ってきたのを見て、何が起きたのか尋ねずにはいられなかった。「あなたの夫は出張に行ったのであって、戦争に行ったわけじゃないのに、どうして全身傷だらけで帰ってきたの?怪我をしたなら、なぜ病院に行かないで、家で療養するの?病院の方が便利じゃない?」

夏目初美は手を広げた。「あなたが私に聞くなら、私は誰に聞けばいいの?私もまだ知りたいわ。でも彼は私に話す気がないみたいだし、あまり聞けないわ。たぶんまだそこまで親しくなっていないと思っているんじゃない?」

大江瑞穂はくすくす笑った。「もう夫婦同然なのに、どこまで親しくなればいいの?あの...マイナス距離?」

夏目初美は彼女を白い目で見た。「そんな話題にもっていくの?本当にリスペクト。私は本当に知らないけど、きっと理由があるはず。彼がいつか私に話してくれる時が来たら、必ず最初にあなたに教えるわ、それでいい?」

大江瑞穂がさらに何か言う前に、話題を変えた。「そういえば、友好商事の人との打ち合わせはどうなった?もし彼らの会社に行く必要があるなら、私が行けるわ。どうせ往復で二日だけだし。藤田社長が特別に私たちのために機会を作ってくれたんだから、彼女の信頼を裏切るわけにはいかないわ。」

大江瑞穂は言った。「今月は彼らの会社が棚卸しで忙しいって。来月中旬に、時間が合えば、私たちを招待してくれるそうよ。」

夏目初美はうなずいた。「もうすぐ来月だし、中旬といえばあと二週間後ね。いいわ、その時に私たち二人のどちらの時間が合うか見て、合う方が行けばいい。できれば一発で決めて、帰ってきたら安心して年越しの準備ができるわ。」

大江瑞穂はため息をついた。「時間が経つのは本当に早いわね、もうすぐ一年が終わるなんて。来年は事務所がもっと良くなって、私たちもみんなもっと良くなることを願うわ!」