第130章 CPを萌える楽しさ

しかし文句を言いながらも、夏目初美は心の中で大江瑞穂のことを本当に嬉しく思っていた。

佐藤沢暁が身を慎んでいるということは、あちこちの女性と関係を持ちながらも何事もなかったかのように振る舞う男よりずっといい。

だから二人ともまだ運がいいほうだ。あの初めての恋というのは、男だけのものじゃない。彼女たちだって持てないわけがないじゃないか?

彼女は試しに大江瑞穂に尋ねた。「で、今はもう二人の関係は確定したの?それともどうなの?彼って仕事しなくていいの?刑事隊長なら忙しいはずでしょ、特に今は年末だし、なのに私たちより暇そうじゃない」

大江瑞穂はふんふんと鼻を鳴らした。「本当に暇なのよ、今日も私を迎えに来るって。誰が来てほしいって言ったの?自分で家に帰る道くらい分かるわよ!」

夏目初美は興奮して言った。「ということは、もう関係を確定したってこと?展開が早いわね、さすが隊長お兄さんは手際がいいわ、尊敬するわ!」

大江瑞穂は目をさまよわせながら、「あのね、まだ完全に彼を受け入れたわけじゃないの...彼はちょうど大きな事件を解決して、神戸市に戻ってきたばかり。それなのに違法工場のあたりで何か怪しいことがあると聞いて、どうせ休暇中は暇だからと私服で調査に行ったのよ」

「思いがけず調査はうまくいって、休暇が終わる前に大きな進展があったみたい。でも明後日、また熊本県に飛んで事件の捜査に行くって。元宵節までに戻ってこられるかどうかも分からないって。彼の体中に古傷があるのを見たわ。彼は10月に29歳の誕生日を迎えたばかりなのに、もう市の刑事隊長よ。どれだけの努力をして、どんな危険を経験してきたか、想像できるでしょ」

「今回も危険は避けられないと思う。そうでなければ、現地が特別に彼を指名して捜査協力を求めたりしないはず。だから私の心は...複雑なの。だから彼に言ったの、真剣に考えさせて、彼が無事に帰ってきたら返事をすると」

夏目初美はもう噂話をする気分ではなくなった。

真剣な表情で言った。「私も昨日考えていたけど、刑事は最も危険な警察の職種の一つで、彼がまだ若くして市の隊長になったのは、きっと並大抵のことじゃなかったはず」

少し間を置いて、「それで瑞穂、心が揺らいだの?」