第226章 誰もが若い頃に一人や二人のクズを愛したことがある

水野雄太はすぐに竹野心の条件を承諾した。「いいよ、二百万円払うよ。明日中に振り込むから、明後日手術に連れて行くよ。それに手術費と栄養費として五万円も追加しておく」

「常夜燈のことは、君が点けに行く必要はない。僕と母で行くよ。これは全部僕が、僕たち家族が彼に対して負っている借りだからね。これからも毎年その日には、懺悔しに行くつもりだ。僕の無責任さが罪のない子供を傷つけたんだから、一生良心の呵責を受けるべきだよ」

「お金を受け取ったら、新しい人生を始めてほしい。これからは目を光らせて、僕のような無責任な男に引っかからないようにね。もちろん、近道を探そうとするのもやめた方がいい。良心に背くことをすれば、いつか必ず報いを受けるものだし、この世に後悔薬はないんだ。全てが取り返しのつかない状態になってから後悔しても、本当に遅すぎるから……」

彼自身がまさにそうだった。今更後悔したところで、何の意味があるだろうか?

希実はすでに他人の妻となり、彼を心底憎んでいる。この先一生、彼を見ようともしないだろう。

だから、たった二百万円余りどころか、その倍の金額でも、この間違った状況を終わらせることができるなら、彼は惜しまなかった。

最初から存在するべきではなかった、誰からも期待されていないこの子を、この世に生み出すわけにはいかなかった。そうすれば将来、皆がまた取り返しのつかない後悔をし、子供も苦しむことになるだろう。

これら全てを終わらせた後、彼に新たな人生を始める可能性があるかどうかは、その時が来たらまた考えればいい……

竹野心は水野雄太がすぐに二百万円を払うことに同意し、さらに自ら五万円を追加すると申し出たのを聞いた。

しかし少しも嬉しくなかった。

今の雄太にとって、二百万円は決して小さな金額ではないことを彼女は知っていた。どうやって工面するのか、おそらく家族も一緒に出し合うことになるだろう。

それでも彼は躊躇なく支払うことに同意した。彼女と子供から早く逃れたいという気持ちがいかに強いか、想像に難くなかった。

彼女が再び口を開いた時、さらに歯ぎしりするような口調だった。「そんな偽善的な涙を流さないで。きれいごとを言って、子供は罪がないって。なら、なぜ子供を残そうとしないの?なぜ完全な家庭を与えようとしないの?そもそもなぜ下半身を抑えられなかったの?」