第225章 粉飾できない自己中心と利己心

画面の中の工藤希耀はスーツに身を包み、正式な髪型で、ダイヤモンドがちりばめられたカフスボタン、ネクタイピン、カフリンクスの一式を身につけ、全身から控えめな豪華さが漂っていた。

確かに魅力的で、まるで輝いているようだった。

これは夏目初美が初めて彼が正式に仕事をしている姿を見る機会でもあった。

あの全てを掌握し、自信に満ち溢れた雰囲気と存在感は、顔は同じ顔であり、初美はここ数日毎日彼とビデオ通話をしていたにもかかわらず、思わず心臓の鼓動が速くなるのを感じた。

仕事に全身全霊を捧げる男性が最も魅力的だと言われるが、今日彼女はようやくその意味を理解した!

工藤美咲が自分から冗談を言ってきたので、初美も遠慮なく返した。「確かに私は得したわね。こんな油ぎった豚が私という白菜を手に入れるなんて。でも私という白菜だって瑞々しくて青々としていて、少しも劣ってないわよ?」

美咲はふんふんと鼻を鳴らした。「誰かさんは本当に謙虚じゃないわね。でもそうね、あなたという白菜は確かに瑞々しくて素晴らしい、どこをとっても素晴らしいわ。そうじゃなければ私が譲るわけないでしょ?あなただからこそよ、他の人だったら絶対に譲らないわ!」

初美は笑いながら言った。「だから今度は大きな赤い封筒を用意するわ、とっても大きな赤い封筒。それでいいでしょ?」

美咲は笑いながら答えた。「それならまあいいわ。兄さんはいつ帰ってくるのかしら?こんな大きなプロジェクトを獲得したんだから、グループ全体でしっかりお祝いしないとね。」

傍らにいた鷹山社長も笑いながら話に加わった。「お嬢様の意味するところは、私たちショッピングモールの全従業員にも分け前があるということですか?それなら皆を代表して、社長様、お嬢様、そして奥様に感謝申し上げます。」

さらに続けた。「今回の岡山市のテレビ塔プロジェクトは、我々のグループがこれまでに落札した最大のプロジェクトではないでしょうか?100億円以上ですからね。さすが社長様の出番となると、一人で二人分の働きをされる。これで今後2年間はグループ全体が心配することはありませんね。工藤家の一員であり、社長様のような指導者を持てることは、私たち全従業員の幸せです!」