二時間後。
夏目初美はもう息も絶え絶えで、喉はかすれてほとんど声が出なくなっていた。
横にいる満足げな顔をした衣装を着た獣のような男を目で非難することしかできなかった。彼女は人間なのに、彼とは深い恨みもないのに。
さっきのあの激しさは、本当に生きたまま果ててしまうのではないかと恐れるほどだった。——もし死んでしまったら人に会わせられない、あまりにも恥ずかしい死に方だから!
工藤希耀は彼女の潤んだ目尻を見て、全身が艶やかで魅惑的だと感じた。
思わず彼女の唇に近づいてキスをしてから、低く笑った。「ハニー、そんな目で見ないで。そんな目をされたらまたやりたくなるよ。さすがに鶏を殺して卵を取るようなことはできないからね。青山あってこその柴だ。ほら、まず水を飲んで。」
初美は水を飲んで、喉が少し楽になった。
しかしまだ不機嫌だった。「よく分かってるじゃない。なのにさっきはあんなに激しくて、まるで...全部入れようとするみたいに...ゴホゴホ...疲れた、お腹すいた。これって何の人間苦?私のキャンドルライトや花、それに手作りのハート型スイーツも全部無駄になっちゃった!」
希耀は慌てて笑った。「無駄じゃないよ、無駄じゃない。今からハニーをキャンドルライトディナーに連れて行こうか?」
鼻をこすりながら咳払いをして、「僕のせいじゃないよ。こんなに長く我慢してたのに、入ってきた途端に誘惑するなんて。でもメイド服は本当に似合ってたよ。ハニーはどうしてこんな大きなサプライズを思いついたの?次は何のサプライズを考えてる?ナース服はどう?制服も悪くないけど...」
「ふん!」
初美は怒りながらも笑ってしまった。「いい夢見てるわね。次なんてないわよ。どうせ着ても無駄だもの。あなたはちゃんと見もしないで、全部破いちゃうんだから。わざわざ色気を出す必要もないわ。どうせあなたの要求は低いし、私の色目は盲人に向けているようなものよ。」
希耀は慌てて冤罪を訴えた。「どうして見てないって言うの?見たよ、可愛かった!僕の反応を見れば分かるでしょ?」