夏目初美はここまで読んで、すでに涙でいっぱいになり、胸が詰まって先を読めなくなっていた。
義母の短い人生が苦しいものだったことは前から知っていたが、一日の幸せも味わえなかったことを。
それでも今この瞬間、彼女の短い一生の心の軌跡を目の当たりにし、誰にも打ち明けられず、誰とも分かち合えない涙と苦難を文字という形で紙に記録していたことを見るほど、心に響くものはなかった。
特に多くのページには、かすれた涙の跡が残っていた。
彼女が書きながら泣いていた時、どれほど苦しく絶望的な気持ちだったか、想像に難くない。
初美の心はさらに痛んだ。
どうしてこんなにも苦しまなければならなかったのか、義母は一体何をしたというのか、こんな苦しみを背負わなければならないほど?
彼女はただ一人の人間として、一人の母親として、命に責任を持たないわけにはいかず、自分の子供を手放せず、自分と子供が生きることを願っただけなのに!
工藤希耀があの老人をそれほど憎んでいるのも無理はない。老人に会った後、様々な理由で、そして彼女と遠山陽介が賛成しなかったため、憎しみを忘れざるを得なかった後も、あれほど憎み、今でも苦しみから解放されないのも当然だ。
彼はこの日記を読んだに違いない。最初から最後まで全部。
その時、彼はどんな気持ちだったのだろう?
きっと息もできないほど苦しく、自分を殺したいほど後悔したのではないだろうか?
初美はしばらく落ち着いてから、赤い目で読み続けた。「希光が高校に合格した。しかも県で10位という素晴らしい成績で!県の学校に行って寮に住むよう言ったけど、彼は行きたがらない。何を言っても聞かない……彼が県の学校に行けば私の負担が増えると心配しているのは分かっている……本当に馬鹿な子だけど、少なくとも私のことを心配してくれていることが分かった。全てが報われた気がする……」
「今日もテレビで彼を見た。本当に立派で輝かしい姿だ。でも彼がしてきた吐き気がするようなことを知っている人がどれだけいるだろう?当時、本名も素性も明かさなかったのは、私が探し出して騒ぎ立てるのを恐れたからだろう?私はそんなことしない。ただ自分の愚かさを恨み、目があっても見えなかった自分を恨むだけ……」