第353章 子供のママがあなたでなければ私は失望する

夜、寝る前になって、夏目初美の下腹部に重みと張りを感じ始めた。これまで毎回生理が来る前と全く同じ感覚だった。

彼女は思わず焦った。どうやら、今回も駄目だったようだ。

そのせいで一晩中、子供に関する様々な入り混じった夢を見続けた。

朝起きると、案の定、パンツに赤い跡がついていた……

初美は思わず長いため息をついた。期待していただけに失望もあったが、靴がようやく地面に落ちたような安堵感もあった。

そして彼女はトイレに行った。

トイレから出てくると、工藤希耀は上半身裸で、すでにリビングのランニングマシンで走り終えて寝室に戻ってきていた。

彼女を見るなり、「初美、大丈夫?永谷姉さんに黒砂糖のお湯でも作ってもらおうか?」と尋ねた。

初美は彼がすでにシーツの赤い染みに気づいていることを悟った。

申し訳なさそうに言った。「ごめんね、あなた。本当に可能性が高いと思ったんだけど、私の……もう来ちゃったの。きっとこの間疲れすぎて、心配事が多すぎたから遅れただけだったのね。知っていたら言わなかったのに、期待させちゃって……」

希耀は彼女の言葉が終わるのを待たずに。

前に出て彼女を抱きしめた。「なぜ謝るの?こういうことは縁があってのことだよ。今回はなかったけど、また頑張ればいい。そもそも計画外のことだったんだから、あれば嬉しい驚きだし、なくても普通のことだよね?もう余計なことは考えないでね。」

しかし初美はまだ顔をしかめていた。「でも確かに期待させちゃったわ。葉酸も無駄に買ったし、名前も無駄に調べたし。あの日はもっと別の方法であなたを説得すべきだった。ちゃんと話せば、あなたは聞き分けるのに、どうして……これからはもう小雨傘(コンドーム)なしでいくわ。絶対に妊娠してみせる!」

希耀は彼女の顔を両手で包み込んだ。「もういいよ、顔をしかめないで、しわが寄っちゃうよ。葉酸だって買ったからといってすぐに期限が切れるわけじゃない。見たけど、3年の賞味期限があるから、また使えばいいじゃないか。名前だって期限はないし、将来の子供だけじゃなく、いつか孫や孫娘にだって使えるよ。」

「それに僕は期待して裏切られたなんて思ってないよ。だって初美と一緒にいる毎日、一瞬一瞬が幸せなんだから。だからもう気にしないで、ね?」