第152章 姫の勝利！！

コメント欄は今、呆然としていた。

【。。。。。。。。。。。マジかよ】

【あのさ、私の鑑賞眼がおかしいのかな？？なんか夏挽沅の演奏の方が良く聞こえるんだけど。】

【前の人に同意。私も夏挽沅の演奏の方が心に響くと思う。】

【たぶん郭師匠が油断したんだろうね？でも夏挽沅が本当に腕があるとは思わなかった。それでも私はやっぱり郭師匠を応援するけどね。さっきは郭師匠が本気を出してなかっただけだと思う。】

舞台上で、郭天は長いドレスを着て、静かに座っている夏挽沅を見つめ、突然心に不安を感じた。

同僚や観客たちの視線も少し奇妙だった。郭天は気持ちを落ち着かせ、真剣になった。

「さっきは本気ではなかった。今度は、夏くん、ついてきてくれるかな」郭天はそう言いながら琴の弦を弾き始めた。確かに先ほどよりも真剣さが増していた。

郭天が演奏を始めた瞬間、挽沅も琴の弦を弾いて彼に続いた。

曲の後半は前半に比べて少し軽やかだった。今や彦星は多くの人々の助けを借りて、天宮の許可を得て、毎年一度、鵲の橋で織姫と会うことができるようになった。

このときのリズムは比較的明るくなっていた。郭天は技を見せびらかすために、多くの箇所で音調を変えたが、挽沅の琴の音は常に彼の後ろにぴったりとついていき、振り切ることができなかった。

同じ音調、同じリズムではあったが、聴衆は二つの異なる音色を明確に聞き分けることができた。

郭天の演奏は素晴らしく、技術は熟練しており、琴の音は流暢で、全国古琴協會の会員の名に恥じない。

意外だったのは、挽沅の琴の音が常に郭天に密着して追随し、彼がどんなに技を見せびらかし、どんなに変化をつけても、挽沅の琴の音は一切の躊躇なく続いたことだった。

行雲流水のごとく、流れるように自然だった。

時間が経つにつれ、彦星はついに織姫との初めての対面を迎えた。天の銀河が彼らの背景となり、世界中のカササギが羽ばたいて集まり、彼らのために長い橋を架けた。

このとき二人の琴の音は徐々に軽快になっていった。郭天は楽譜通りのリズムで演奏し、音は流暢だったが、真の感情が少し欠けていた。

一方、挽沅の琴の音からは、自然と安堵、感謝、喜び、別れの惜しさ、感慨などの複雑な感情が伝わってきて、まるで聴衆全員が主人公となり、彼の人生の浮き沈みを経験しているかのようだった。