寒國の人々は古来より、華国に対して非常に狭隘な心理を持っていた。
崔俊勇は古い絵画技法によって高く評価されていたが、その画法の師承を尋ねられると、彼は決して華国から学んだとは言わなかった。
代わりに、それは自分の先祖が創り出した画法であり、先祖が亡くなった後、この貴重な遺産を子孫に残したのだと語っていた。こうすることで、彼は書画の名家という背景を手に入れたのだ。
そして、それまでの書画界では聞いたことも見たこともない絵画技法によって、彼は寒國で名を馳せた。
寒國と華国の情報伝達はそれほど円滑ではなく、ましてや一人の画家について、華国人もそれほど注目していなかった。崔勇俊が一気に華国の注目を集めたのは、彼が絵画展でのインタビューで語った一連の言葉だった。
当時、ある華裔の記者が、崔勇俊の絵が華国のある古画の大家の風格に似ていると感じ、何気なく質問した。
「あなたの絵は華国のある大家の画風に少し似ていますが、彼の画法を学ばれたことはありますか?」
本来はごく普通の質問だったが、崔勇俊は心に後ろめたさがあったため、この質問に心中で動揺した。しかし表面上は、非常に傲慢な態度を見せた。
「ふん、華国?これらの画法はすべて私の先祖が自ら創り出したものだ。ここにあるどんな絵画技法でも、華国に使える人がいるのか?私が華国から学ぶだって?誰が華国が水墨画の発祥地だと知っているんだ?私に言わせれば、華国の多くの絵画技術は我々寒國から学んだものだよ」
この発言は華裔記者によって国内に伝えられ、ニュースメディアが報道すると、たちまち大きな波紋を広げた。
華国は四大文明古国の中で、文明が途切れることなく続いてきた国であり、五千年の風雨を経た華夏文化の輝かしい歴史は、常に華国人が誇りとするものだった。
崔勇俊のこの発言は、多くの人々の怒りを引き起こした。
【くそっ!!どこの猫や犬だ、何を言ってやがる、我が偉大なる華夏が、お前らの蛮族の地のものを学ぶ必要があるというのか???】
【寒國の奴らか、お得意の手口だな。結局は物を盗んでおいて逆ギレするのが一番得意なんだよな、吐き気がする。】
【腹立たしい、やはり純粋な寒國のバカだ。あの国はいつも厚かましく我々の文化や技術を世界無形文化遺産に申請しようとするじゃないか???また因縁をつけに来たのか???】