第087章:ゲームはまだ終わっていない

夏目宣予のファンたちは、自分たちの女神がこのような扱いを受けることに甘んじるはずもなく、すぐさま古川真雪のウェイボーに押し寄せ、悪質な言葉で彼女を侮辱した。

真雪はウェイボー上で大騒ぎになっていることを知らなかった。彼女がシャワーを浴び終えてバスルームから出てきた時、綾部久辰から謝罪の電話を受け、やっと何が起きたのかを知った。

「姉さん、本当に申し訳ありません。私の処理が悪かったです」

久辰はパーティーの主催者として、パーティーで起きたことに責任を負うのは当然だった。

真雪は自分のウェイボーのコメント欄を素早く一瞥した後、ウェイボーを閉じ、まったく気にしない様子で言った。「むしろあなたに感謝しないといけないわ。このパーティーがなければ、彼女と正面から対立するまでにはもっと時間がかかったでしょうから」

久辰:「……!」

久辰は真雪が宣予を好きでないことは知っていたが、ここまで嫌っているとは思わなかった。最低限の友好さえも装う気がないほどとは?

「姉さん、最近あなたの話題性が高すぎるので、これからしばらくは…おとなしくしていた方がいいんじゃないですか」

真雪は久保清森と離婚した後、頻繁にウェイボーのホットサーチにランクインしていた。昨日の清森とのナイトクラブでのキスのニュースがまだ収まっていないのに、今度は宣予との対立騒動が持ち上がった。

「久辰、あなたから清森に私から離れるよう説得してくれない?彼と関わることは何一つ良いことがないわ」

「姉さん、それは…本当に力になれません」

真雪は無頓着に肩をすくめ、続けて心からの感想を漏らした。「ああ、そろそろイケメンを囲う時期かもね」

真雪がイケメン囲いについて言及するのを聞いて、久辰はすぐに口調を変え、へつらうように笑いながら言った。「姉さん、あなたと宣予の対立は面白いと思いますよ。イケメン囲いなんて面白くないじゃないですか」

久辰が自分のイケメン囲いに反対していることを知り、真雪はそれ以上この話題を続けなかった。「早く休みなさい。切るわね」

簡潔にそう言って、電話を切った。

電話を切ってから1分も経たないうちに、真雪の携帯電話が再び鳴った。画面には発信者情報が表示されていなかった。

真雪は眉を少し上げ、少し躊躇した後、電話が切れそうになった瞬間に、指を画面上でスライドさせて電話に出た。