第127章：私はただ純粋にあなたを誘いたいだけ

彼女の反応に久保清森は少し笑いを堪えられなかった。彼は仕方なく問い返した。「単純に君を口説きたいだけってことはないのかな？」

古川真雪は「……！」

彼女が顔を上げて不満げに清森を睨みつけたが、彼女の星のような瞳が怒りを含んだ様子は、彼の目には絹のように魂を絡め取るものに映り、彼の心をくすぐってたまらなくさせた。

真雪は彼を無視して、白川大老の席へと向かった。

白川大老は生後一ヶ月の曾孫を抱いてあやしていた。祝いに来た客たちは次々と前に出て、小さな子に赤い袋を渡し、何か褒め言葉を言い、白川大老に曾孫を得たことを祝福してから立ち去っていった。

「七公、曾孫さんのご誕生おめでとうございます」真雪は白川大老の前に行き、少し腰を曲げて大老の腕の中にいるピンク色の小さな赤ちゃんに花のような笑顔を向けた。

小さな赤ちゃんは彼女の友好を感じたかのように、彼女に向かって口を開けて笑った。

「真雪ちゃん、来てくれたのか」

「はい」真雪はハンドバッグから既に用意していた大きな赤い袋を取り出した。「これは赤ちゃんへのほんの気持ちです」

白川大老は赤い袋を受け取り、敬意を持って後ろに立っている執事に渡した。「うん、ありがとう。お前と清森も頑張れよ。ハハハ」

真雪は白川大老の豪快な笑い声に、どう答えればいいか分からなくなった。彼女は小声で注意した。「七公、私と清森はもう離婚しています」

「いやいや、夫婦喧嘩は犬も食わないって言うだろう。清森がお前を不機嫌にさせたなら、ちょっと懲らしめてやればいい。早く復縁しなさい」

真雪が答える前に、横から温かみのある声が彼女より先に応じた。

「七公、ご教えに従います。私たちはできるだけ早く復縁します」そう言いながら、自分が用意した赤い袋を白川大老の後ろに立っている執事に渡した。

「ハハハ、お前はもっと真雪ちゃんを大事にしろよ」

「そうします」

「お前の両親もまだ孫を抱きたがってるぞ、頑張れよ」

「はい、頑張ります」

「ちょっと言っただけで面倒くさがってるのか、またごまかしてるな」

「いえいえ、そんなことはありません」

「その態度じゃ、真雪ちゃんに嫌われるのも当然だ。まあいいよ、行きなさい。ここで邪魔しないでくれ」