しばらくすると、玉のように滑らかなその小さな顔に二つの紅潮が浮かび、手で触れなくても、自分の頬が少しずつ熱くなっていくのを感じることができた。
次の瞬間、彼女は久保清森がゆっくりとその黒い瞳を上げて自己を見つめるのを見た。
彼の目は澄み切って透き通り、ダイヤモンドのような輝きを湛えていた。一瞬のうちに、彼は眉を緩め、微笑みの弧とともに、まるで銀河全体が彼の瞳の中で揺らめき、人を目眩させるほどの眩い光を放っているようだった。
古川真雪は清森の顔に咲く淡い笑みを見つめ、しばらく動くことを忘れていた。
「バレちゃったかな?」
その言葉には真雪が慣れ親しんだ厳格さは微塵もなく、心をくすぐるような不良っぽさだけがあった。
我に返った真雪は、急いで視線を逸らし、力を込めて自分の手を引き抜いた。
そして思わず清森を睨みつけ、少し嫌そうに呟いた。「前はこんなに不真面目だとは気づかなかったわ」
清森は小さく笑い、手の墨を置いた。「今気づいても遅くないよ」
真雪は口を尖らせ、離婚後の清森がますます調子外れになっていると感じた。
清森は真雪がわざと黙って自分に答えないのを見て、薄い唇の端に楽しげな笑みを浮かべた。彼は机の上の筆を取り、筆先を硯の墨に浸し、落ち着いた姿勢で筆を振るった。
真雪は机の前に静かに座る清森をじっと見つめていた。彼の周りには清らかで高貴な気が漂い、眉目には静かで落ち着いた態度が宿り、一挙手一投足に上品な気質が表れていた。
その瞬間、彼女は過去の年月、自分がなぜ彼に夢中になっていたのかを突然悟った。
この男はあまりにも優れていて、無視できないほどだった。
彼は空の中の一輪の明るい満月のようで、比類のない輝きを放っていた。
そして彼女は彼の光に引き寄せられ、彼に近づきたい、もっと近づきたいという気持ちを抑えられなかったのだ。
「素晴らしい字!素晴らしい字だ!」
耳元に響く年配の男性の声が真雪の思考を現実に引き戻した。
彼女はようやく目を伏せ、清森がすでに筆を置き、彼の前の机に置かれた宣紙に、彼が先ほど書いた字が躍っているのを見た——春水初生、春林初盛、春風十里、不如你(春の水が生まれ、春の林が盛り、春風十里も、あなたには及ばない)。