第187章：美女が多くても家の花一輪に勝るものなし

彼女はしばらくの間、白川悠芸にどう返信すべきか分からなくなっていた。

古川真雪はスマホを置き、首を傾げて久保清森を見つめ、好奇心を持って口を開いた。「清森、あのツイートを投稿して、あなたが一手に育て上げた夏目宣予に恨まれないの？」

清森は静かに目を上げ、真雪を見る目に悪戯っぽい笑みが浮かんだ。彼は薄い唇を開き、磁性のある声に淡い笑みを含ませて言った。「どうした、僕のことを心配してるの？」

真雪は口をとがらせ、視線を戻してスマホを手に取り直した。「考えすぎよ」

「宣予より君の方が大事だよ」

彼があのツイートを投稿した時、心の中で考えていたのは、真雪に説明したいということだった。彼と宣予の間は本当に何もなく、ニュースで伝えられているようなものではないということを。

真雪の手の中でタイプする動きが一瞬止まり、赤い唇の端にかすかな微笑みが浮かんだ。

「あんなに真剣に告白したのに、返事してくれないの？」

「返事？ああ、わかったわ」

真雪は納得したように頷き、ツイッターを開くと、清森が彼女の投稿した多くのスタッフとの集合写真のツイートをリツイートしているのを見た。

【真雪、美女が多くても我が家の花一輪には敵わない。うお澄苑の開店おめでとう。スタッフたちはみんな素晴らしいけど、彼らよりも僕の方が君と写真を撮るのに適していると思うよ】

ツイートの下には、ネットユーザーたちの悲鳴が広がっていた……突然の恋愛アピールに胸焼けを起こしたようだ。

真雪としては、離婚してから清森のこういう不真面目な発言が次から次へと出てくると感じていた。

元々は彼のツイートをリツイートして返事をするつもりだったが、そうすると二人の間のやり取りが頻繁すぎて、何か関係があるように思われてしまうかもしれないと考えた。

15分の時間が経ち、オーブンから澄んだ音が鳴った。

真雪が立ち上がってオーブンから天板を取り出そうとしたが、清森の方が一歩早かった。

彼は断熱手袋をはめ、オーブンに歩み寄ってドアを開けた。

食欲をそそる香りが鼻をくすぐり、空腹の真雪は期待に満ちた表情で彼の手にある天板を見つめていた。

清森は天板からマッシュルームを取り出し、皿に盛り付け、頭を上げると真雪が彼の手にある皿から目を離さず、今にも食べたいという様子だった。