天井から柔らかな黄色い光が彼の身体に降り注ぎ、まるで金色の後光を纏わせているようだった。
彼の眉目の間には冷淡な気配はもはやなく、代わりに古川真雪がますます慣れてきた温かさがあった。
真雪は両腕を胸の前で組み、横に寄りかかりながら、真剣に料理をする久保清森をじっくりと眺めていた。
真剣な男性が最もかっこいいというが、その言葉は少しも嘘ではない。たとえ彼の顔を12年近く見続けてきたとしても、彼がこんなにも真剣な姿を見るたびに、心臓の鼓動が数秒速くなるのを抑えられなかった。
清森は真雪の視線を感じると、ゆっくりと顔を上げた。彼女の賞賛するような眼差しに触れた瞬間、思わず口角が上がった。
その刹那、周囲のものすべてが彼の微笑みが咲き誇る瞬間に色あせてしまったかのようだった。
彼の顔に浮かぶ笑顔は万丈の光のように、実に眩しく魅惑的だった。
真雪は胸の前で組んでいた腕を下ろし、ワインセラーへと歩み寄り赤ワインを一本取り出すと、慣れた手つきでコルク抜きを使ってワインの木栓を抜いた。
彼女がワイングラスに注ごうとした時、清森が彼女の動きを制して言った。「空腹でお酒を飲むと胃に良くないよ。あと15分で肉詰めマッシュルームが出来上がるから、もう少し待ってくれないか」
その言葉を聞いて、真雪は素直に少し持ち上げたワインボトルを置き、木栓を元に戻した。
彼女はバーカウンターに歩み寄り、ハイチェアに座ると、片手で顎を支え、目を細めて清森を観察した。
そして口を開いた。「清森、あなたのその容姿、もしお金持ちじゃなかったら、絶対にレストランの看板として雇うわ」
彼女の半分冗談、半分本気の言葉に清森は思わず笑った。彼は素早く顔を上げて彼女を一瞥すると、視線を落として手にしたパスタを沸騰した鍋に入れた。
「お金持ちじゃなかったら、君が僕を囲うって言うかと思ったよ」
「上流社会にはあなたと寝たがる金持ち女性がどれだけいると思ってるの?私が囲う番が回ってくるわけないじゃない」
「その言い方、ちょっと酸っぱいね。どうした?君も僕と寝たいのかい?」
清森の口調はやや真剣で、まるで真雪に非常に重要なことを尋ねているかのようだった。彼女が彼と寝たいかどうかという…そんな話ではなく。