第381章：休暇を取って元妻に付き添うため

「今日は何か予定ある？」

「夜は久辰と一緒に夕食を食べて、それからバーで一杯飲む約束をしているわ」

「昼間は？」

古川真雪は少し考えてみたが、昼間は特に予定がないようだったので、適当に答えた。「たぶん家にいるだけかな」

久保清森はうなずき、数秒間の間を置いてから口を開いた。「じゃあ、昼間は僕が君に付き合うよ。夜は海外の会社とのビデオ会議があるんだ。もし会議が早く終われば、君と久辰のところに行くよ」

真雪は椅子の背もたれに慵懶な姿勢で寄りかかり、目を細めて、余裕の表情で清森を見つめながら、柔らかな声で冗談めかして言った。「あなたが元妻に付き合うために休暇を取るなんて、他の取締役に知られたら、取締役会長として苦情が来るんじゃないの？」

清森はまったく気にする様子もなく肩をすくめた。「苦情なら苦情で構わないさ。取締役会長の機嫌を損ねれば損するのは彼らだからね」

それは事実だった。清森が叢雲産業グループの取締役会長に就任して以来、グループや各取締役にとても大きな利益をもたらしてきた。取締役たちは彼に取り入るのに必死で、彼に苦情を言う勇気など持ち合わせていなかった。

結局のところ、自分の金のなる木を怒らせたい人などいないのだ。

彼の勝ち誇った自信に満ちた様子を見て、真雪は何年も前の、高校入試を控えながらも普通に遊んでいた少年の姿を思い出した。

彼女はまだ覚えていた。当時18歳の彼に尋ねたことを。「清森、大学入試の準備はしなくていいの？」

18歳の清森は余裕の表情で首を振った。「必要ないよ」

真雪は久保家が既に彼のためにバックアップを用意していて、たとえ試験の成績が良くなくても優秀な大学に入れるのだろうと思った。

しかし、清森の答えは意外なものだった。「準備しようがしまいが、僕は簡単に良い大学に合格できるからね」

当時彼の顔に浮かんだ笑顔は自信に満ち、魅力的で、まるで万丈の光のように真雪の目を釘付けにした。

この言葉が他の人の耳に入れば、18歳の少年が若気の至りで、傲慢だと思われるかもしれない。

しかし真雪は知っていた。彼は必ず十分な自信があってこそ、このような勝ち誇った自信に満ちた態度を見せるのだということを。

大学入試の前日でさえ、清森はいつものように家族と食事をし、散歩をし、少しの緊張も見せなかった。