——10点満点!!
カウンターに表示されたスコアを見て、陸田謹言の顔にも驚きの色が浮かんだ。
「なんてこった!誰か私をつねって……これは夢じゃないよね!」
「これが乗馬があまり得意じゃなくて銃もほとんど触ったことがないって?冗談でしょ?」
島村少臣はどこかの坊ちゃんから双眼鏡を奪い取り、鼻に架けて、まばたきもせずに見つめていた。その目に映る驚きの色はどんどん濃くなっていった……
場内の少女は黒髪を風になびかせ、細い手でしっかりと手綱を握り、馬を方向転換させる瞬間に顔を横に向けた。彼が想像していたような恐怖や緊張の色はなく、魅惑的な目尻にはどこか余裕のある笑みさえ浮かんでいるようだった。
少女が片手で手綱を引くと、馬は前脚を上げ、彼女は拳銃を空中で右手に持ち替え、3番の的に狙いを定めた。
「バン!」——またしても10点満点!
次第に彼らは気づいた。鈴木瑠璃は単に的の中心を狙うだけでなく、5つの的すべてに均等に弾を当てようとしているのだ!!
「バン!」——10点満点!
くそっ、これはまだ人間の技なのか!
「あぁぁぁ!瑠璃ちゃん頑張れ!」
丁野遥はもはや興奮のあまり言葉も出ず、悲鳴のような声を上げていた。自分が的中を射抜いた時よりも何倍も興奮していた。
群衆の中の楚田汐は神経を張り詰め、爪が掌に食い込んでいた。無意識に隣の男性に目をやると、謹言が魂を抜かれたように、まばたきひとつせず馬上の瑠璃を見つめ、その目の光が明滅していた……
汐は憎しみに満ちた目で視線をそらしたが、それでも思わず場内の状況に注目せずにはいられなかった。
最後の一発、瑠璃は馬にまたがり、片手で5番目の的に狙いを定め、目を細め、口角をわずかに下げ、どこか傲慢な雰囲気を漂わせていた。
空気の中で静かに風が吹き始め、少女の頬の両側の髪が軽く揺れ、この上なく美しかった……
全員が思わず息を殺し、彼女の最後の一発を待っていた。
瑠璃は突然軽く微笑み、腕を上げ、何気なく空に向かって一発撃った。
「バン!」
空撃ち……
最後の一発で、自ら脱落を選んだのか?
観衆は目の前の光景に少し呆然としていた。誰もこんな結果を予想していなかった。